akiyama924のブログ

長いものを書きたくなったときに書きます。

イーソルトリニティ 機能安全セミナー

2016/7/22(金)にイーソルトリニティ株式会社主催の「ISO 26262機能安全統合ソリューションツールmedini™ analyze セミナー」へ参加してきました。とても興味深いセミナーでしたので内容のごく一部をご紹介します。

オープニング

オープニングは、主催者であるイーソルトリニティ株式会社の上山伸幸社長による会社紹介です。

もともと1975年にエルグ株式会社として設立されたイーソルという売上54億41百万円(2015年度)、従業員数366人(2015年度)という会社があり、2015年にイーソルトリニティ株式会社、2016年に株式会社オーバス(デンソー+イーソル+NEC)を設立しました。

と、ここまではニュースや記事で知っていましたが、3社のミッションの違いについてはよくわかっていませんでした。簡単に言うと、本体のイーソル社がリアルタイムOSRTOS/AUTOSAR)やRuntime Softwareを担当し、イーソルトリニティがRuntime Softwareを使いこなすための教育とツールとコンサルティングを担当し、オーバスがデンソーの車載電装品技術とNECの通信技術とイーソルのRTOS技術を活用し自動運転などの成長領域のプラットホームライセンスや支援サービスをおこなうとのことでした。

そうそう。RTOSの領域でも8コアなどのマルチコア、さらにMany-coreの世界になってきているとのことでした。こういう最先端技術を取り扱うということでワクワクしますね。

基調講演

基調講演は今回のセミナーの目玉であるmedini analyzeツール開発もとのDr.Eckhardt Holz氏によるものでした。

medini analyzeツールは、簡単に言うと、車載システムの安全性を保証するためにISO 26262(自家用車の安全規格)が求めていることができるというものです。

特長は「単一情報方式」である点で、何度も強調されていました。

「単一情報方式」とは、入力した情報は、さまざまなツールで使いまわすため一貫性ある品質保証ができるというものです。さすが欧州のツールです。

事例紹介

パナソニックAISの藤山氏からISO 26262への取り組みの様子とmedini analyzeツールを使用した事例紹介がありました。

とてもわかりやすい説明でした。

興味を引かれたのは「OEMとサプライヤの開発分担と開発の流れ」の説明でした。「機能安全コンセプトの策定」まではOEM側の責任という境界線があるものの、昨今はサプライヤにその部分、いえ、その上の「機能安全要求」から受け持ってもらえないかとの要求があるそうで、要求仕様までがOEM、実現手段の設計はサプライヤという昔のプロセスではなくなったのだなーと思いました。

ただ、ツールの活用については(わかりやすく説明するために話を省略されたのだと思いますが)「フォールトと故障の因果関係を入力するとFMEAが自動生成される」といったことをおっしゃっていたのでちょっと心配になりました。

イーソルトリニティのコンサルティング活動

今回、このセミナー参加の動機となったセッションです。イーソルトリニティの宿口さんの講演を聴きたかったのです。

内容は機能安全活動を支援するとはどういうことかがよくわかり、また、見識の高さに舌を巻きました。参加してよかったです。

ライセンスについて

最後はツールのライセンス形態や価格のご説明がありました。

 

ということで、車載システムの機能安全についての概要と最新ツールを見ることができて満足です。今後もセミナーが開かれる予定とのことですので興味のある人はこちらのサイトにアクセスされると良いと思います。